飲食店ノウハウ

飲食店の勤務時間の実態について。労働基準法を確認しよう

2019年9月3日

飲食店の種類によって勤務時間はいろいろあるようです。お客様が集中する忙しい時間帯(コア)がランチタイムである店、ディナータイムである店、深夜までにぎわうお店など、お店のシステムによって勤務時間帯やその長さも違いがあるそうです。ただ、飲食店の場合、他の業種より勤務時間が長いということは、ネットなどでもよくいわれていることのようです。実際はどうなっているのでしょうか。今回は、飲食店の勤務時間の実態や、法律上の規定などを見ていきしょう。

飲食店勤務時間の実態

飲食店ではお客様のことを第一に考えて仕事をするわけですから、お客様がたくさん入ることが期待できる時間帯(コアタイム)を逃さないようにすることが基本になってきます。そしてコアタイムは、レストラン・居酒屋・カフェ・バーなど、飲食店の種類によって、あるいは立地や周辺環境などによって違ってきます。そのため、その勤務時間帯もお店の事情によってバラバラのようです。

深夜まで続く勤務時間

居酒屋やバーなど、お店によってはもともと深夜の時間帯まで営業をする店もあります。あるいは夜勤明けのお客様を想定した早朝営業をする店もあるでしょう。また開店から閉店までの営業時間がもともと長い飲食店もあります。そういったお店の場合は長い勤務時間を求められることもあることでしょう。特に店長のような管理する立場になると、長い勤務時間になることが多いようです。

勤務する立場としてつらいのは、営業時間帯が終わってもそれを超える想定外の勤務を求められる場合があることでしょう。週末など曜日によっては、勤務時間を延長して深夜までの残業をせざるを得ないケースもあるそうです。絶対に外せない用事があれば別ですが、他のスタッフの事を考えると自分だけ定時に終了というわけにもいかないものです。

状況によりシフト変更もある

場合によっては、あらかじめ聞いていたシフトが突然変更されてしまうこともよくあるようです。勤務する側にもプライベートなタイムスケジュールがありますから、お店側から出されるシフト変更の要請をすべて受け入れるのは、難しいかもしれません。それでも、スタッフ仲間への負担や、人手不足のためお客様に不満をいだかせてしまうことに罪悪感を覚える人もいるでしょう。そうした真面目な人であれば、急な予定変更でも受け入れざるを得ないこともあります。また、店長などお店を管理する立場の人にとっても、お店の順調な運営のために自分の勤務予定を変更・追加せざるを得ない場合も出てくるでしょう。

休日返上も

飲食店にとっては、世の中の多くの人がプライベートな時間を確保できる時が、逆に重要な営業時間帯となります。ですから土曜・日曜・祝日などは、休日にはならないお店がほとんどではないでしょうか。飲食店に勤める人にとっては休日は平日のみとなるケースが多いでしょう。さらに、場合によってはその休日を返上して勤務しなければならないこともあるようです。

飲食店の場合は、設定した時間だけ営業していればよいというわけにはいかないことがよくあります。しかし、想定時間外の営業が必要であることということは、それだけお客様からの期待と信頼が高いということでもあります。「肉体的精神的健康の維持」と「お客様のための勤務」ということのバランスが大切です。

労働基準法における労働時間について

飲食店で働く人の健康・安全そして人権を守るための法律があります。労働基準法です。法的な規制の内容を確認し、さらに飲食店現場で体験する現実と見比べることは有意義なことではないでしょうか。もし問題点があれば、改善のための取り組みを検討する必要が出てくるかもしれません。

変形労働時間制とは?

労働基準法の原則によると、労働時間は1日8時間、1週間で40時間までとなっています。もしこれを超える場合はいわゆる残業ということで割り増しした賃金を支払う義務があります。しかし、飲食店などのように閑散と繁忙の波があるような職種の場合は、1週間での合計が40時間以内である原則は守ったうえで、1日10時間までの労働をしてもらうということは認められています。つまり、ある日の勤務時間を6時間にして別の日の勤務時間を10時間にする場合は通常の勤務時間として計算されるということです。このやり方を変形労働時間制と言います。

シフトの通知に関しては、1週間前に1週間分のスケジュールを書面で通知し、やむを得ない場合を除いて変更してはいけないことになっています。

18歳未満のアルバイトの場合は?

18歳未満の場合は正規採用であれ、アルバイトであれ、1日8時間・1週間40時間労働が限度で、割増賃金が発生するような残業に当たる勤務は禁止されています。さらに22:00~翌5:00までのいわゆる深夜業務も禁止されています。ただし、やはり飲食店などのように閑散と繁忙の差が激しい仕事の場合は、1週間の中で40時間を限度として、4時間以内の労働の日を1日設定する代わりに他の日に10時間労働させることは認められます。

インターバル規制とは?

インターバル規制とは、前日の勤務終了時間から翌日の勤務開始時間まで一定の休息時間を確保しなければならないということです。2019年4月に施行された「働き方改革関連法」に基づいていますが、現時点ではまだ法的規制ではなく、あくまでも努力目標とされています。ヨーロッパではすでに義務付けられていて、インターバル時間は12時間とされています。今後は日本でも「働き方改革」の広がりに伴って、法制化に向けた検討がなされていくものと思われます。

休憩時間はどうなる?

労働基準法では、休憩時間は6時間を超える労働の場合は45分、8時間を超える労働の場合は1時間を、労働時間の途中で与えなえればならないことになっています。労働時間の中のどのあたりに休憩時間を置くのかの規定はありません。飲食店の場合はお客様の多いコアタイムを避けて設定されることになるでしょう。

2店舗勤務の場合は?

同じ会社の別店舗での勤務の場合も通算の労働時間で計算されます。つまり、ある店舗で6時間勤務し、別の店舗で4時間勤務した場合は10時間勤務となり、8時間を超える2時間分は割増賃金として計算されることになります。

将来自分がオーナーとなったら

現在飲食店で働いている人は、自分の労働時間に関する実態をきちんと把握しておくことが大切です。さらに、労働基準法に定められた規定についても目を通して、法制と実態を比較してみることをおすすめします。飲食店勤務でお客様に満足してもらえるスキルを身に付け、お店の繁栄に貢献したい気持ちは大事にするべきです。その前提として、自分の心と体の健康、さらに社会人として生きていくための人権がしっかりと守られていることを確認しておかなければなりません。その経験は将来店長やオーナーとなった時、健全運営スキルとして生きてくるでしょう。

また、今現在店長やオーナーとして管理する立場にいる場合も、法律順守に基づいたスタッフへの思いやりは、お店の発展のための最も重要な要素と考えておくべきではないでしょうか。そのためにも法律と実態の比較は大切です。

飲食店勤務では労働基準法を意識しよう

飲食店業界での勤務時間やシフト・休日に関しては、ネット上の口コミサイトなどでも様々な問題点があげられてきました。繁忙時間帯の忙しさなど、何とかして乗り越えていかなければならない問題もありますが、法的規制にひっかかりそうな、システム面から改善すべきと思われる問題が含まれることもあります。お店によってホワイト・ブラックの内容もいろいろですが、できれば自分が勤務する飲食店、自分がオーナーである飲食店の現状は法的にどうなのか、確認してみてはどうでしょうか。長いスパンで見た場合、安定したスキルアップや安定経営の力強い土台となることでしょう。

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