飲食店ノウハウ

飲食店の社員の労働時間における問題点とは?労働基準法を確認しよう

2019年7月30日

飲食店の社員として働いている人の多くは、長時間労働など労働時間に関する疑問や不満を抱いた経験があるのではないでしょうか。お客様に満足していただくことを仕事の第一義として日々精力を傾けて努力する業界ですから、場合によっては法律の規定を知らなかったり、法律を逸脱してまでも経営のために現状を改善しない、あるいはできない店も多いのかもしれません。しかし現実的なことを言うと、労働基準法という労働者の権利を守るための法律が厳然と存在していて、罰則を伴った改善を求められたり、最悪の場合営業停止命令を受けたりということもありえます。社員側から見ると、過酷な待遇により「健康で文化的な」生活をすることが不可能な状態に追い込まれるようであれば、労働機基準監督署に申し出て改善・救済の要求をすることができます。そこで今回は、飲食店社員の労働時間の問題を労働基準法とも絡めながら見ていくことにします。

労働基準法で規定されている飲食店の労働時間とは?

労働基準法は労働時間や給料、休憩時間、休日、有給休暇などについての最低基準を定めた法律で、すべての店舗や企業で働く、正社員・派遣労働者・アルバイト・パートなどすべての労働者に適用される法律です。オーナーや事業主は労働者の立場によって差別することは許されません。

1日・1週間の社員の労働時間

それでは、労働基準法に定められている労働時間についての規則を具体的に確認します。

8時間

労働基準法では「1日8時間・週40時間」の原則が定められています。上記したように従業員30人未満の店舗での例外はありますが、たとえば1日10時間の労働を4日間した場合は週40時間は守られていますが、1日8時間が守られていないのでアウトです。また、1日8時間の労働を週6日した場合も週48時間となりこれもアウトです。つまり「1日8時間」と「週40時間」と両方の規定を順守しなければならないのです。

1日の規定の社員の休憩時間

労働時間中の休憩時間についても労働基準法で明確に規定されています。勤務開始前や勤務終了後の時間を休憩時間にすることは認められません。6時間を超える労働の場合は45分以上、8時間を超える労働の場合は1時間以上の休憩時間を必ず労働時間の途中で確保しなければなりません。勤務時間の中のどこで休憩時間とするかは規定されていませんが、当然バランスの良い時間に設定する必要があります。また、基本的には普通の企業では、休憩時間は一斉に取ることが原則ですが、飲食店の場合は交代で取ることができます。

管理職による違いはある?

管理職がだれであっても、法律による規定ですから無条件に順守する義務を負うのですが、場合によってはこれまで慣習や、売り上げや業績を重視するあまり、思わず法令違反のままやり過ごしてしまうこともあるかもしれません。改善の見込みがない場合は担当者に相談したり、労働基準監督署へ通報して介入を要請するなどの対策が考えられます。

飲食店で起こりやすい労働時間の問題とは?

飲食店の社員の労働時間について、労働基準法にも関わるような注意すべき点について確認してみます。

1週間単位の労働時間の超過

労働基準法では、労働時間は1日8時間・1週間40時間までが原則となっています。もしこれを超える場合は割増賃金を払う義務が生じます。ところが飲食店の場合は、現実的にはお店側の立場からすると1日6時間でOKの日もあれば1日10時間働いてほしい日もあります。そこで、従業員数が30人未満の飲食店などで、忙しい時とそうでない時の差が大きい場合は、週合計で40時間以内であれば1日10時間まではOKということも認められています。つまり平日の労働時間を減らしたり休みにしたりして、土日に10時間働くという形は違法ではありません。

休憩時間の長さ・与え方

勤務時間の終了時刻から翌日の勤務開始の時刻までの時間を一定の長さに保つように規制する取り組みを「インターバル規制」、正式には「勤務間インターバル制度」と言います。これは労働者が一定の生活時間・睡眠時間を確保してワーク・ライフ・バランスを崩さずに、長期的に働けるように休息時間を保障する制度です。現在法律化には至っていませんが、努力義務とされています。遵守の方向での努力が必要です。特に飲食店の場合は、繁忙の状況によっては営業が予定を超えて深夜にまで及ぶこともあるため、注意が必要です。

2店舗の掛け持ちの場合の労働時間の計算方法

同一事業主・同一経営者による同一企業の中の別々の2店舗で労働した場合の規則も法律で定められています。たとえば、A店で6時間働いたあとB店に移動して4時間働いたとするとその日の労働時間は合計して10時間と認められ、8時間を超えた2時間は割増賃金で計算しなければいけません。飲食店の場合は近隣地域で系列店舗を展開をしていることもあるため、このような状況が発生する可能性があり、注意が必要です。

飲食店も労働基準法を守って労働時間を見直そう!

飲食店での社員の仕事はお店の状況によって、ときには労働基準法を逸脱する形での勤務をさせてしまうこともあるかもしれません。シフト管理など運営上の都合もあって改善が困難な場合もあります。しかし、安定経営のためには労働基準法を順守し、社員が納得し満足感を感じつつ勤務できるような労働環境を整備することが大切です。ぜひ、労働環境をもう一度見直し、必要があれば改善にチャレンジしてみてください。

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