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アルバイトの残業代について。知らないと損をする支払いのルールとは

バイトは時給制だから時給以外の報酬が支払われないと思っていませんか?実は残業代など、法律的に決まっていることがあるので、時給以外の報酬も支払われます。場合によっては残業代が支払われるケースがあるはずなのに気づかない人も多いことでしょう。ここでは、どんなときに時給以外の報酬が発生するのか一緒に見ていきましょう。

バイトの残業代はどんなときに出る?

バイトの残業代はそもそも気にしたことがない人が大半だと思います。どんなときに残業代は支払われるのでしょう。

残業代支払いのルール

バイト先から給料を受け取っている人でも、ルールを意識したこともなく、定期的に支払われる給料をいつものことだとあまり考えずに受け取っている場合があるかもしれないですね。しかし、バイトは時給方式が多くをしめているので、時間単位の支払いがメインです。そのため、働らく状況によっては普段の仕事とは違った場面での仕事については給料が正しく支払われていない可能性があります。時給単位のバイトでも残業などの割り増し料金が発生する条件(ルール)があります。そのルールとは労働基準法で定められており、週40時間・1日8時間の上限でこれを超えた場合は残業代が発生するというものです。

残業代の計算方法
バイトは時給で働いていると思っているので残業代がもらえることすら知らない可能性もありますし、計算方法についても知らない人も多いことでしょう。損をしないためにここでは残業代の計算方法について学んでいきます。例えば、アルバイトの求人に時給1,100円・22時以降の時給が1,375 円と記載があったとします。この場合、1日の労働時間が8時間を越えると、労働基準法の条件により、本来は22時以降の時給が残業代が加算されて1,650円の報酬となることがあります。しかし、現実に支払われるケースは少ないことでしょう。それはなぜかというと意外と法律をきちんと理解や把握をしていない会社も多くあります。ですから知らず知らずのうちに皆さんの残業代が少なくなっている可能性があります。しっかりと内容を知ることで、今後、働く限りどこでも役立つ知識となりますので基本をしっかり覚えておきましょう。

バイトの残業代の一例
ここでは実際にバイトで残業代が発生したときの報酬を一例として計算してみたいと思います。基本となる考え方は先にも説明した労働基準法で規定されている1週間で40時間、1日8時間を超えた労働の場合に残業手当てが発生します。そのさいに発生した残業手当は時給の0.25の割増しになりますが、22時以降に残業になった場合は時給の0.25倍に深夜は更に0.25倍が加算されるので時給の1.5割増しとなります。

実際に計算してみましょう。以下はバイトのシフトが9:00-18:00で(1時間休憩)の後に業務量が増えてその後に23時まで働いたことを想定しています。

9:00-18:00(休憩1時間) 8時間×時給1,100円=8,800円
18:00-22:00       4時間×時給1,100×1.25(残業割増)=5,500円
22:00-23:00(深夜)   1時間×時給1,100×1.5(1.25(深夜割増)+0.25(残業割増))=1,650円
合計:15,950円

このような感じです。バイトの残業代については雇用主も知らない場合が多々ありますので、知っておくことはとても大切です。自分の身を守るための必要事項にもなります。
バイトに対する労働法
バイトに関する日本の法律について見ていきましょう。

労働者基準法

日本では正社員・バイトなど、雇用形態に関わらず労働基準法で働くことに関する規定が決まっています。そのため、この労働基準法を守らないと会社は、労働基準監督署から指導を受けることとなります。会社の規則よりも強いのが労働基準法です。会社があなたとの契約条件、就業基礎を理由に残業代の支払いを拒んでも、労働基準法に違反していた場合は、労働基準法にそった残業代を支払う義務があります。なんども出てきますが。1日8時間、1週間に40時間を超える労働は残業となります。"

残業代や各種手当てについて

人によっては給料に色々な手当てがついていることがあるかもしれませんが、それも含めて残業代と呼んでいないでしょうか。厳密には違うものなので、それぞれ説明していきます。

残業代

残業には2種類あります。労働基準法で決まっている残業と、会社独自のルール(就業規則、労働契約)で決めた残業です。労働基準法が一番優先されるため、会社の就業規則や労働契約がどうであれ、労働基準法で決まっている残業は、雇用主が支払う義務があります。基本的には1日8時間、1週間に40時間を超える場合は残業となります。この1日8時間、1週間に40時間を超えた労働を法定時間外労働と言い、割増された残業代が支払われます。通常25%の割増が発生します。これに対して、会社の就業規則で決まっている定時(所定労働時間)を越えての労働も会社にとっての残業ですが、法定労働時間内であれば、1時間分の残業代がきちんと支払われていれば割増が無くても法的には問題ありません。他にも残業の種類によって賃金の割増率が変わってきます。

深夜手当て

法定労働時間を超えた割増の他に深夜手当があります。深夜手当とは、22時から翌日の5時の時間帯に働いた労働に対して支払われれます。割増される金額は、時間外手当と同じく通常の時給に対して25%以上となっており、所定の時間であれば、例えば時給1,000円に対して残業代の25%以上を上乗せして1時間あたり1,250円以上となります。もし、残業代が支払われる時間帯と22時~翌日5時の時間帯が重複すると、1時間あたり1,250円以上(25%)+250円以上(25%)で、合計1,500円以上となりますのでしっかりと給料明細を確認してください。こういった求人についても要確認です。勤務時間は18時〜24時で時給:950円(+深夜手当)と勤務時間は22時〜翌4時で時給:1050円(深夜手当て含む)前者の深夜帯の時給は1187円で後者は1050円となるのでしっかりと計算してくださいね。

休日手当て

休日手当は35%の割増になりますが、条件として労働基準法で定めらる休日のルールがあります。法定休日と呼ばれるものです。法定休日は週に1日、4週間を通じて最低でも4日以上の休日を与えなくてならないというルールでなりたっています。 これを超える労働を行った場合は休日手当として会社は割増された賃金を支払わなくてなりませんが、アルバイトでこの条件を越えられることってあまりなさそうですよね。 ただし、一つだけ考えられるのがこの法定休日の曜日を会社が就業規則に定めている場合で、その曜日に出勤をすると法定休日の出勤と見なされる点です。要は日曜日は会社として休みと設定している場合です。このさいに急遽、出勤して働いてと言われて働いた場合は法定休日に仕事をしているので休日手当の支給の対象になります。 ここで疑問に思う方がいるのではないでしょうか? 法定休日を会社が〇曜日に定めた場合に年中無休のお店なら、その法定休日の〇曜日に出勤すれば無条件で35%割増の時給がもらえるのではないかというところです。実はこれにはカラクリがあり、法定休日は労働者ごとに定めることができれば、あえて法定休日を就業規則に定めないでシフトに入っていない休みの日を法定休日に指定する事ができます。そのため週6日フル出勤のパート・アルバイト以外にはあまり縁がない手当となってしまいます。

バイトの残業代は請求できるか?

残業代がもらえていないと発覚したときに請求することが可能なのか。確認してみましょう。

残業代の請求

労働者には残業代を請求する権利があります。最初に、あなたがどんな条件で働いているか、残業代が正しく支払われているかを確認します。働いた時間が残業に該当するのか雇用契約書、就業規則、給与明細を確認しましょう。残業代をもらうためには証拠が重要になってきます。勤務時間の記録を押さえましょう。タイムカード、勤務簿、勤務報告書、勤怠管理システムなど記録手段が無い場合は自筆で記録することと合わせて、会社で退社時間がわかるものを写真で撮影しておきましょう。最後に残業代の計算を実施しましょう。いくら請求するのか、自分で計算しておくのはとても大切です。そして全部揃ったらまず、会社と交渉して見ましょう。

未払いの請求

残業代に関わらず、そもそも給与が未払いのケースもありますよね。未払いについても残業代の請求と同様の準備をあらかじめしておくことが大事です。ただし、現在から過去2年までが有効期間になりますので、できるだけ速やかに対応することをおすすめします。

バイトの残業代が支払いされない時の相談先


仮に残業代を請求しても、素直に支払われないことが考えられます。そういったときの対処法について説明します。

残業代についての相談先一覧

バイトで残業した分の時給が支払われなかったり少ないことを現場の責任者に伝えたのに全く聞いてもらえない、会社の人事部や相談窓口に連絡しても相手にされず解決しないという場合には、厚生労働省が設置している以下の機関を利用してみましょう。

総合労働相談コーナー

仕事上で発生するさまざまなトラブルについて、電話と面談にて無料相談をしてくれます。場所は都道府県の労働局や労働基準監督署内などに設置されています。

労働条件相談ほっとライン

労働条件に関しての疑問や相談を、電話で受け付けてくれます。平日は17:00~22:00、土日は9:00~21:00と対応時間が長く、無料で相談できるのでバイト前後に電話をかけて連絡しやすい環境です。

労働基準関係情報メール窓口

労働基準法に違反するような働き方が疑われる場合に、メールで相談ができます。文章で伝えるため、メールの往復回数が少なくて済むように提供する情報のポイントを確認して、状況を整理しておいてください。

残業代の請求は労働者の権利

上記で紹介した以外にも都道府県ごとに設置されている労働局、労働基準監督署に相談する方法があります。しっかりと働いた分の賃金を得ることは、当然の権利ですから堂々と尻込みせずに立ち向かいましょう。ここで注意することがあります。労働基準監督署は積極的に動いてくれないことが多いこともあります。なぜなら、労働基準監督署の役割は労働基準法違反の有無を調査し、是正することなので未払残業代等の全額を回収するのが役割ではないからです。知っておきたいのが、残業代の支払いの時効が2年というところです。そこのところも意識しておき、早めに解決したい場合は弁護士に依頼するのが良いかもしれません。弁護士に依頼する際は、まず相談や依頼。契約が成立したら、弁護士から内容証明郵便で会社に残業代の請求を行います。これを実施することで時効は一時的に中断することができます。その後に残業代の計算を実施して会社との交渉に入り、和解で済むか、訟訴などの法的措置までに進めるかの判断をするという流れになります。
バイトの残業代について見てきましたが、どんなことでもそうですがルールを知ること。今回で言うと労働に対するルールを知ることが一番大切です。自分が無知であることで労働時間を提供しているにも関わらず本来、支払われるはすの残業代を自分で気づいていないことが問題です。一度、自分のもらっている給料の内容について目を通して考えてみましょう。

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