飲食店ノウハウ

飲食店における経営について。売上管理をして利益アップを目指そう!

将来独立して自分で飲食店を切り盛りする夢を抱いている人、現在すでに独立してオーナーとなっている人にとって、「飲食店の売上」は最重要テーマの一つであり、最大の関心事の一つといってよいでしょう。ただお店の発展のためには、売上の増減に一喜一憂するだけでは不十分です。冷静に現状を把握し、的確な判断力で改善が必要と思われる点を明らかにしなければなりません。そしてその改善の取り組みをお店の評価の上昇に、そして競争が激しい世界での繁栄へとつなげていかなければなりません。今回はお店の「売上」に観点を絞って見ていきましょう。

開業前に飲食店の売上予測を

もうすでに独立・開業している人も、これからという人も、とりあえずここでは開業前の初心状態を想定して、「売上予測」をやってみましょう。何しろ開業の際の融資や開業後の資金の融通などのためには「開業計画」が必要です。その中には、「売上計画」や「収支計画」などが含まれていなければならないわけですから、「売上予測」は避けるわけにはいきません。必ず通るべき道と言ってよいでしょう。

売上予測の計算方法

「売上高=席数×満席率×客席稼働回数(回転数)×客単価」という公式があります。

・【席数】 飲食店内の客席数です。カウンターなどの1人用席、テーブル席などの2人用席、4人用席、6人用席などすべてを含みます。
・【満席率】 一回の稼働時間の中で、実際にどれだけの席が埋まっているかということです。たとえば6人用席に5人しか座らないこともあるかもしれません。場合によっては4人しか座らないこともあるかもしれません。もし全体で20席ある中で、満席時に15人のお客様がいれば、満席率は75%ということになります。
・【客席稼働回数】 その店の営業時間の中でお客様の入れ替わりが何回あるかということです。「店舗営業時間÷平均滞留時間」という式で計算します。営業時間8時間の中で、お客様が2時間ごとに入れ替わる場合は4回です。
・【客単価】  一人のお客様が一度の来店でどれだけの注文をするかということです。

これから独立・開業を目指す人は、自分の店の周辺店などを実際に訪れて観察したり、設定予定のメニューなどからそれぞれの数字を算出して、公式に当てはめる必要があります。

この公式を簡単にしたものとして「席数×稼働回数(回転数)×客単価」という公式もあります。さらにもう一段簡略化した公式として「客数×客単価」というのもあります。

開業後も飲食店売上の把握をしっかりと

実際に開業した後も、売上については注意を怠らないようにする必要があります。そのための売上の表し方で簡単な計算方法があります。そして順調な売上とされる目安の数字と比較することができます。

売上の表し方は坪月商

一つ目は坪月商(坪売上)という考え方です。飲食店の業界で特によく使われる言葉で、一坪当たりの売上を計算して出すものです。通常はお店の坪数に対する1か月の売上の割合を表すため、坪月商という言い方が一般的です。公式は「1か月の売上÷お店の坪数」という簡単なものです。たとえば、1か月の売上が300万円のお店が20坪の広さだとすれば、300万円÷20坪で坪月商は「15万円/坪」となります。

当然のことながら、小さめのお店から大きなお店まで、飲食店の規模(坪数)は、さまざまです。もし売上高だけで表した場合、その経営状態が順調といえるのか、それとも厳しいのかは判断できません。同じ規模の店同士でしか比較できないことになります。そこに坪数という概念を導入することで、あらゆるお店の経営状態を判定できる公式となるのです。

一般的な考え方では、坪月商は最低でも10万円、それ以下では厳しい経営状態であろうといわれています。さらに、15万円でそこそこ順調な経営、20万円で理想的と言えるレベルであろうといわれています。坪月商10万円~15万円を目指すのが飲食店経営の第一段階ということになります。ただし、家賃の安い地方では坪月商15万円でも繁盛店といってよいでしょう。

さらに付け加えると、1坪あたりではなく1席あたりの月商という見方もあります。30席のお店の1か月の売上が300万円であれば300万円÷30席で10万円/席ということになります。順調な経営のレベルとしては5、6万円~10万円とされています。

月別売上のもう一つの表し方

上記の1坪当たりの売上という考え方とは別の考え方も紹介します。坪月商の考え方では、お店の家賃が想定されていません。つまり、同じく坪月商15万円のお店であっても、中心街にあり賃料が高いお店と、そうでないお店とでは経営状況は決して同じレベルではないということになります。

そこで、家賃から売上の目安を決める考え方が登場します。基本的に「家賃×10」の売上が必要だろうという考え方です。家賃が30万円のお店の場合は300万円の売上を目指そうということです。逆に売上300万円のお店では、家賃がその10%の30万円あたりなら順調経営ができるということになります。

飲食店の売上の管理について

売上の基本的な計算方法は上述しましたが、今度は売上を的確に管理することについて考えてみましょう。

売上管理がなぜ必要?

おいしい料理をお客様に提供して喜んでいただくことには、情熱を注ぎ込めても、お金の管理となるとちょっとしり込みしてしまうこともあるかもしれません。しかし、売上をしっかり管理し記録することによって、お店の現状や改善すべき問題点を、数字とその増減によって読み取り、明確にすることができるのです。それは、お店を順調に経営し発展させていくために欠かせないタスクなのです。売上アップのための土台作りと思って取り組んでみてください。

専用のノートなどに手書きで書き込んでいく方法もありますが、専用アプリやExcelのテンプレートを利用する方法だと、必要事項を書き込むだけで計算はコンピュータがやってくれるので便利です。

売上管理の方法とは

売上を記録し、それをデータとして活用します。

売上を記録し実態を把握する

まずは、日ごとの売上を品目ごとに毎日記録していきます。この記録の蓄積が強力な武器となっていくのです。数年分蓄積できればさらに強力です。
売上記録をもとに年商だけでなく4半期(3か月)ごと、月ごと、週ごと、日ごと、時間帯ごとの売上を出します。その結果、同じ年の中でも、売上の高い季節・低い季節、月による売上の推移、曜日や日による売上の違いなどがわかります。他にもランチタイム・アイドルタイム・ディナータイムなどでの売上の変化をはっきりと把握できるのです。

問題点を見つけて改善する

実態を把握することによって、改善すべき問題点が発見しやすくなります。問題点がわかれば、低迷の原因や改善方法も明確化しやすくなります。それに基づいて、たとえば、アイドルタイムの売上を15%増やしたい、2月の売上を10%上昇させたいというように、数値目標も設定しやすくなります。

たとえば、ある時間帯の売上が少ないという問題点に対して
1.集客数が少ないから
2.集客数は少なくないが、滞在時間が長く回転数が少ないから
3.集客数や回転数は特に問題ないが、満席率が低いから
4.集客数・回転数・満席率には問題はないが、客単価が低すぎるから
というように順を追って低迷の原因を突き止めていくことで、改善策の実施が可能になり、そして新たな到達目標設定へとつなげることができるのです。

売上アップのためにはどうすればいい?

売上を伸ばすためには、売上低迷の原因をきちんと把握し、それに対して適切な対策を講じることが大切です。飲食店の場合、最低限の必要事項として、充実したメニューと誠意ある接客マナーは確立しておかなければなりません。その上で、新たな手法への取り組みが求められます。

売上アップの方法

設定したメニューはお客様にも十分喜んでいただいている、接客のマナーも指導が行き届いている、料理を出すスピードも問題ないなど、飲食店としての土台はしっかりと出来上がっているとします。その上で、売上が思ったほど高くない、もっと売上を伸ばしたい、というような場合もあることでしょう。上述の「売上の管理」によって明確になった「問題点の原因」、あるいは同じく上述の「売上高=席数×満席率×客席稼働回数(回転数)×客単価」の各項をチェックします。

1.集客が少ない場合は、グルメサイトやブログ・自社WEBサイト・SNSなどのネット利用による知名度アップを図る
2.満席率が低い場合は、6人席を4人席にするなど、状況に応じた変更をする
3.回転数が少ない場合は、サービス形態や時間・内容・メニューの変更による回転促進を図る
4.客単価が低い場合は単品メニュー・セットメニューの増加や変更によるオーダー数と単価のアップを図る

といった形で、問題点ごとに改善策を立てて実行することが、売上アップへの近道です。

飲食店売上アップには実態把握と徹底管理を

飲食店で重要テーマといえばまずは「調理」と「接客」です。しかし、それだけでは足りません。飲食店の売上アップを図るには、売上予測をしたり、売上の実態をしっかりと把握したりすることも大事なのです。そうして積み上げられた貴重なデータを整理し分析することで、取るべき売上アップ策が明確になり、順調な経営へとつなげることができるのです。飲食店経営においては、キッチン・ホールの現場仕事と売上管理という裏方仕事的な業務、この両輪がうまく回ってこそ順調に進んでいくことでしょう。

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