飲食店ノウハウ

働き方改革で飲食店の働き方はどうわかるか?働き方改革の4つのポイント

働き方改革は、2019年4月に働き方改革関連法案の一部が施行されたことで、注目を集めています。働き方改革とは、働く人たちがそれぞれの個性や価値観などを踏まえたうえで、自由に働くことを掲げたものです。すなわち「1億総活躍社会」の実現を目標とした取り組みを指しています。

この働き方改革で重要なのは、一部の大企業を対象としたものではなく、労働者人口のほとんどが所属する中小企業においても取り組むべきものとされており、飲食店においても認知が広がってきています。この記事では、そんな飲食店における働き方改革とは一体どういう意味を持つのか、そして実際に店を経営する経営者や店長ができることはなにか、という観点で解説していきます。

働き方改革とは?

(1)働き方改革の概要

「働き方改革」の背景には、日本の人口の低下があります。日本の人口は2008年にはピークを迎え、その後減少に転じています。人口減少に伴って働く人材不足は様々な業種、業態で顕著になってきており、労働生産性の向上や、出産をしても働きやすい社会を作ることでの出生率の向上を図っていく必要があります。「働き方改革」はこうした問題を解決するために政府主導で進められた政策なのです。

(2)働き方改革の背景は?

このような働き方改革が出てきた背景としては、飲食業を始めとするサービス業が抱えている長年の問題があります。具体的には次のような問題です。

①労働生産性が低い

日本のサービス業は労働生産性が低いといわれています。労働生産性とは、労働者1人あたりが生み出す価値の総量をさしており、結果としてサービス業全体の利益率も国際的に低い水準にあります。

②客単価が低い

また、日本は外食の料金は先進国の中でも非常に安い国です。消費者にとってはありがたいものではありますが、産業全体の視点で考えると、この低価格化が経済成長や景気の回復にかかわらず進んでいるのは、あまり好ましい状況ではありません。たとえば、アメリカや欧州などでは外食をすると、すぐに数千円くらいの価格になってしまいますが、日本ではわずか数百円程度の料金でも食事をとることができます。これは、利益を圧迫するため、働く人間の給料がなかなか上がらずに、労働環境の悪化の原因ともなっています。

③人材不足

飲食店では、給料があまり高くない・労働時間が長いハードワークなどの理由で従業員不足に悩む店舗が増えてきています。お店によってはシフトを埋めるスタッフがいないため、営業ができない日が出るなどの問題が実際に出てきているところもあります。

働き方改革法案のポイントは?

このような労働問題を解決するために働き方改革は提案されています。ここでは飲食店に関係する働き方改革関連法案のポイントはどういうものかをご紹介いたします。

(1)残業時間の制限

飲食店では、これまで残業時間に上限がこれまでは実質的に設けられてはいませんでしたが、残業時間の上限が原則「月45時間、年360時間」となります。なお、繁忙期などでやむを得ず上限を超える場合においては、1年のうち6カ月まで上限を超える月があることが許容されています。この場合、単月では休日労働を含んで100時間未満であること、2~6カ月の平均が80時間を上限とすること、を上限としており、年間での上限も720時間となっています。これらの上限を超えた場合には、罰則の対象となっています。

(2)同一労働同一賃金

飲食店では、正社員とアルバイトの両方が働いていることが多いですが、こうした雇用形態の違いにかかわらず、「同一労働同一賃金」の原則が適用されます。
正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の格差を改善するために定められており、雇用形態ではなく、仕事内容や貢献度によって給与や賞与が決められるものとされました。

(3)勤務間インターバル制度

勤務間インターバル制度は、勤務終了から次の勤務開始までの間に、一定時間以上の休息時間を確保することを定めた制度であり、長時間労働の抑制を図るものです。たとえば、深夜勤務をしていたスタッフが数時間の仮眠の後に翌日も働くといった働き方をしなくなるでしょう。この制度は、努力義務のため罰則はありませんが、勤務間インターバル制度導入にかかった費用が助成される「職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」を活用すれば、最大150万円の助成金を得ることができます。

働き方改革での事例

それでは、こうした働き方改革の流れの中で、各飲食店が実施している取り組みの事例についてご紹介いたします。

(1)すかいらーくグループの時短経営

株式会社すかいらーくホールディングスでは、深夜営業をしている店舗の8割を原則深夜2時に閉店、朝7時に開店とするように短縮しました。結果、客数が少なくなっていた深夜勤務の従業員をそれ以外の別の時間帯に効率的に配分できるようになり、最終的に客数も増加したようです。

(2)onakasuitaの土日が休日の飲食店

onakasuita株式会社が経営する『おはしkitchen』と『煮炊きやおわん』は、土日祝日が定休日になっています。飲食店は土日が出勤が多いため、なかなか家族との時間を持つことができないというライフワークバランスの悪化につながっていました。onakasuita株式会社では、この点を改善する取り組みを行い、多くの人の共感を得ることができました。その結果、飲食業界ではめずらしい、常に面接応募者が殺到する人気店となっています。

(3)百食限定のステーキ丼専門店・佰食屋の100食限定経営

京都で1日100食限定のステーキ丼を経営する佰食屋は、100食を売り切った時点でお店を閉店するようになっています。したがって、従業員は頑張れば頑張るほど勤務時間が少なくなり、仕事後の余暇を楽しむ時間を増やすことができるようになっています。その結果、従業員のモチベーションの向上にもつながっており、店の営業時間もどんどん短くなっていっているようです。働き方改革では、実際に様々な取り組みが行われています。重要なのは、店の理念と従業員にとってどういう形の働き方が一番いいかを考えるということ。店の数だけ理想の在り方がありますので、ぜひ、あなたのお店に最適な働き方改革を考えてみてくださいね。

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