多くの人が、職場での人間関係に悩んだ経験があるのではないでしょうか。仕事自体は楽しいけど、人間関係のストレスに耐えられなければ退職を考える、というケースも少なくないはずです。
ここでは、退職するべき事例や退職する前にできる対処方法、実際に退職するときに注意すべき点を説明します。職場の人間関係で悩んでいる人は、この記事を参考にしてみてくださいね。
人間関係に悩んで退職する人は多い
仕事上ではさまざまなストレスを感じるものですが、人間関係のストレスは非常に大きいものです。
せっかく入社した会社や店舗で、仕事を覚えてこれからもっと活躍したいと感じ始めた矢先、人間関係がうまくいかず退職せざるをえなくなったという人は少なくありません。
人間関係に悩みをかかえたまま仕事を続けることで体調不良になる人もいますので、場合によっては、心と体を守るために退職したほうが良い事例もあります。
今の職場を退職するべき3つの理由
人間関係の悩みといっても、さまざまな悩みがあります。常識からは考えられないような職場も存在しますので、ここでは退職をおすすめするケースを3つ、例を挙げて説明します。辛い決断ですが、心当たりのある人は退職を考えてみましょう。
上司の常識を超えた暴言などのパワハラ
もし、店長や直属のスタッフから「クズ!バカ!」などと人格を否定する暴言や、殴る・蹴るなどの身体的な暴力を受けている場合は、すぐにでも退職の準備をしましょう。このようなパワハラは「名誉毀損」や「侮辱罪」などの犯罪行為にあたり、コンプライアンスの厳しい現在では到底認められません。
あまりにもひどい場合は、外部の相談窓口に相談しましょう。全国の労働局・労働基準監督署では、このようなハラスメント行為について無料で相談を受け付けています。
上司や同僚によるセクハラ
パワハラと同様、セクハラもコンプライアンス違反になります。男性上司から女性部下へのセクハラが最も多いと考えられますが、男性上司から男性部下へ、女性上司から男性部下へ、というセクハラもありえます。以下のようなことがあれば、セクハラを疑いましょう。
- 身体のことについていろいろと詮索された
- 性的な冗談を言われたり、メールが送られてきた
- 性的な関係を迫られて断ったら、職場で不利益な扱いを受けた
- プライベートで会うようにしつこく誘われた
- 職場や店舗で、性的な画像や動画が見えるようにおかれている
上司や同僚による執拗ないじめ
上司や店長、また他の同僚が結託して陰口を言ったり、無視するなどの行為はいじめにあたります。このように、複数の人間が関わっていじめをするような職場には見切りをつけましょう。相談するべき上司や店長が、このような悪質ないじめを許容している職場では、問題が改善されることはほぼ不可能です。無理して働き続けていると、精神的なストレスで病んでしまうこともあります。
退職を決める前にやるべき4つのこと
ハラスメントやいじめがひどい職場では退職をおすすめしますが、もし信頼できる上司や店長がいれば、問題を解決することも可能になります。また人間関係が悪いのは、自分が原因ということも考えられます。ここでは、退職を決める前にできる対処方法を4つ説明します。退職する前に、自分ができることがあれば実行してみましょう。
上司や同僚に人間関係の悩みを相談する
直属の上司や店長が信頼できる場合は、迷わず人間関係の悩みを相談してみましょう。厳しすぎる先輩もそっけない同僚の態度も、ひょっとしたら期待の裏返しや、ただの誤解ということもありえます。このように、人間関係の悩みはひとりで解決するのは難しいので、周りの人に相談して解決策を見つける努力をしましょう。
自分の職務態度や考え方を見直す
そもそも、自分の遅刻や無断欠勤の多さが原因で人間関係が悪い場合は、勤務態度を改めましょう。挨拶をする、自分から率先して仕事に取り組む、丁寧な言葉使いを心がけるなど態度を改めると周りの人たちとの関係はずっと良くなります。気持ちよく働ける職場になるよう、ひとりの社員として自覚を持つことが大切です。
他の部署への異動を試みる
店舗で働いていれば、キッチンやホールと、それぞれの部署の仕事もスタッフも異なります。もし、今の部署である特定の人との人間関係に悩んでいる場合は、別の部署へ異動をお願いしてみましょう。このような人間関係の悩みであれば、部署が変われば解決も期待できます。接客の仕事自体が好きというのであれば、働き続けられるように、上司や店長に伝えてみることをおすすめします。
人事部などに人間関係の悩みを相談する
直属の上司や店長に相談しても解決しないときは、人事部など上の部署があれば、相談しましょう。パワハラやセクハラがある場合も、人事部に相談できればすぐに行動に移しましょう。店長が異動になったり、自分自身が他の支店や店舗へ異動できるかもしれません。
退職を決めたらまずやるべきこととは?
周りに相談しても解決しない、そもそも少人数の職場や店舗で相談できる人もいない、など精神的にも限界であれば退職の手続きをしましょう。退職といっても次の転職を考えて、できるだけ円満に退職することが大事です。ここではどのように退職するべきか、注意するべき点と流れを紹介します。
円満退職をして人間関係を精算する
人間関係が原因で退職するときは、円満に退職することがなによりも大切です。上司や店長と人間関係でもめていると、退職を拒否されたり、最後の給料が支払われなかったりすることも考えられます。
労働契約書には、退職の意思表示はいつまでにと記載されていることが多いので、労働契約書に署名している場合は必ず確認します。労働契約書がない場合でも、できれば1ヶ月前までに退職の意思を伝えます。次に働く人や周りの人たちに迷惑をかけないように、引き継ぎをしっかりとしましょう。また、退職日や有給休暇の消化などについて、話し合いで決めておきます。
退職後に失業保険の手続きをする
退職し、人間関係の悩みから解放されてホッとしたら、次は失業保険の手続きを行います。転職する場合でも、すぐに仕事が見つかるかどうかわかりません。条件を満たせば、一定期間は最低限の収入が期待できるので、余裕を持って転職活動ができます。退職時に会社から雇用保険被保険者証と離職票をもらい、自分の住所を管轄するハローワークで手続きを済ませます。
人間関係で疲れた心と体を休ませる
ハローワークで失業保険の手続きを済ませたら、まず、人間関係の悩みで疲れた心と体をゆっくりといたわることをおすすめします。本を読んだり旅行したり、気分転換をしましょう。退職すると、自分の責任のように感じる人もいますが、多くの人たちが同じように人間関係の悩みで退職していることを忘れないでくださいね。
ゆっくり休んだら、転職活動を始めます。転職の際に大事なことは、前の職場を辞めた理由をポジティブに伝えることです。「自分の経験をさらに積みたい」「他の会社で働き仕事の幅を広げたい」などと、前向きな言葉を使うようにしましょう。
まとめ
現在、セクハラやパワハラが横行するような職場に務めている場合は退職をおすすめしますが、そうでない場合は退職する前にできることをやってみましょう。一度は入社した会社ですから、自分の態度を改めたり気持ちを変えることで勤続できるようであれば、まずは努力をしてみてください。時間が経てば、いつの間にか人間関係の問題が解決していた、ということもよくあります。 人間関係が原因で退職を考えている人は、この記事を参考にしてみてくださいね。ひとりで悩まず、店長や同僚、家族や友達に相談しながら解決策を考えることが大切です。