バーテンダーに憧れを抱き、職業にしたいと思う人は多いのではないでしょうか。知識や技術が豊富なバーテンダーですが実は、学歴や年齢は特に決まりは有りません。しかし、バーテンダーの資格はたくさんあります。持っていなくても働くことはできますが、持っていた方が何かとメリットがあります。今回は、バーテンダーになりたいと思っている方のために、資格の紹介や仕事内容などを詳しく解説していきます。
バーテンダーについて理解しよう
知らない人のために職種や仕事内容について説明してから、資格について説明していきます。バーテンダーはただお酒をつくっているだけと思われる方も多いですが、それは大きな間違いです。美味しいお酒と最高のおもてなしを提供するのがバーテンダーの仕事なのです。
そもそもバーテンダーとは?
名称は、合成された言葉で、19世紀のアメリカで生まれたと言われています。Bar(カウンター席や酒場)とTender(優しい、気遣う、世話をする人)が組み合わされてできた言葉がバーテンダーで、ローロッパではバーマンやバーメイドなどと呼ばれています。
「訪れたお客様に、お酒と空間の最高のおもてなしをする」それがバーテンダーであると言えるでしょう。
バーテンダーの仕事内容とは?
仕事は、お客様一人ひとりに合ったお酒やドリンクをつくって提供し、最高のおもてなしをすることです。
おもてなしには、お客様とのコミュニケーションも含まれています。しかし、ただ話せば良いというわけではありません。バーに訪れる理由は人それぞれ。愚痴を聞いてほしい人もいれば、一人でゆっくりとお酒を楽しんで癒やされたいという方もいます。どのパターンで話すのがお客様に合っているか瞬時に見極めて、一人ひとりに合わせた対応をするのも仕事の一つです。
1日の仕事の流れは、出勤→清掃→補充→仕入れ→仕込み→開店準備→営業(料理やドリンクを提供)→閉店準備→閉店。といったものが一般的です。
バーテンダーに資格は必要なの?
バーテンダーには、必ず資格が必要というわけではありません。また、年齢や学歴も特に決められていないので誰でもなれる可能性があります。
しかし、資格を取得しておくと様々なメリットが発生するので、持っているのと持っていないのは大違いです。
バーテンダー資格取得による様々なメリット
資格を取得しなくても、バーテンダーとして働くことは可能です。しかし、資格を取得することは様々なメリットがあります。
まず、資格を取得すると未経験でも採用されやすくなります。ある程度の技術が資格により保証されることで、お店側も採用しやすいのです。
また、お店によっては給料が上がることがあります。資格を持っているということは、他の従業員やお客様から信頼されやすくなるので、利益に繋がる人物ということになるからです。
さらに、大会に出場する資格を得ることができます。あまり知られていない、バーテンダーの大会ですが、自分の実力や他の同業者を知ることができるので、さらなるモチベーション向上に繋がります。また、日本の大きな大会で優勝すると、厚生労働大臣からの表彰や世界大会への切符を掴んだりと、活躍の場が一気に広がることもあるのです。
バーテンダーにはどんな資格があるの?
仕事内容や、資格を取得するメリットについて紹介してきました。では、どのようなバーテンダーの資格があるのか説明していきます。
バーテンダーの資格は多数あり、開催している主催している企業によって異なります。それぞれの主催している企業ごとに、どのような資格があるか見ていきましょう。
NBA主催のバーテンダー資格
一般社団法人日本バーテンダー協会のことをNBAと言います。NBAは、昭和4年に設立されました。設立の目的は、バーテンダーの技術の向上と、人格を立派なものへ育て上げることとなっています。
NBAのバーテンダー資格は以下の2種類です。
1.バーテンダー呼称技能認定試験
2.インターナショナル・バーテンダー呼称技能認定試験
どちらも酒類に関する筆記試験が行われます。2の資格では、2次試験にフルーツカッティングやシェイクなどの、バーテンダーとしての基本技術の実技試験も行われます。
ただし、2の資格はNBA会員限定なので、一般の方は受験できないので注意してください。
筆記試験は、どちらのNBAのオフィシャルカクテルブックという公式テキストから出題されます。
また、どちらの試験も、合格した際には認定証と認定バッジが配布されるのでバーテンダーの証をいつでも身につけることも可能です。
詳しい受験資格や受験料金などを知りたい方は、NBAホームページをご覧ください。
http://www.bartender.or.jp/qualification/
HBA主催のバーテンダー資格
カクテルを中心とした飲料文化の発展と、バーテンダーの育成を目的として設立されたHBA。正式名称は、一般社団法人日本ホテルバーメンズ協会です。
HBAのバーテンダー資格は以下の5種類です。
〈会員限定〉
・HBAバーテンダー(筆記試験・実技試験)
・HBAマスターバーテンダー(支部長推薦者、筆記、論文、面接)
・HBAシニアバーテンダー (筆記試験)
〈一般〉
・HBAビバレッジアドバイザー(筆記試験)
・HBAカクテルアドバイザー(通信講座)
HBA試験の最大の特徴は、通信講座があることです。しかも、自宅で受験することが可能なので仕事で忙しい方や、主婦でも受験することが可能。
本格的な資格になってくると、論文や面接などの試験項目も加わるため、やや難易度は上がります。
詳しい受験資格や、受験料などが知りたい場合HBAのホームページをご覧ください。
https://www.hotel-barmen-hba.or.jp/license-list
PBO主催のバーテンダー資格
酒文化の発展や、プロフェッショナルバーテンダーの養成や教育などを目的に設立されたPBO。特定非営利活動法人プロフェッショナル・バーテンダーズ機構が正式名称です。
PBO主催のバーテンダー資格は、プロフェッショナル・バーテンダー資格認定試験の1種類のみとなっています。
PBOでは、バーテンダーズコンペティションMVBカップというPBO主催のバーテンダーの全国大会を開催しており、その出場資格の一つとして、この資格を発行しているようです。
試験内容は、筆記試験とカクテル調合の技術試験の2項目。筆記試験は、新バーテンダーズマニュアルという本から出題されます。
また、大会だけでなく独自のセミナーも開催しているので、モチベーションが高いバーテンダーが集まりやすい機構でもあります。
詳しい受験資格や、受験料などが知りたい場合HBAのホームページをご覧ください。
http://www.pbo.gr.jp/accredit/
バーテンダーになる方法とは?
資格がなくても、バーテンダーになることは可能です。方法も様々で専門学校に通ったり、アルバイトから初めてみたりと。未経験からのスタートでも大丈夫です。
バーテンダーの専門学校に通う
未経験から始めることもできますが、バーテンダーの世界に急に飛び込むのは、勇気がいるでしょう。そんな人は、最低限必要な知識や技術を専門学校で身につけてから、バーなどで働くのがおすすめです。学校によっては、社会人でも通うことができるような週末コースなどがあるところもあります。
専門学校で教わることは、あくまで基礎で、ほんの一部です。お酒全般に関すること含めて膨大な知識が必要で、お客様に快適な時間を過ごしてもらうために、常に学び続ける必要があることを忘れないでください。
バーテンダーの通信講座
先程、HBAの資格でもでてきましたが、通信講座でも受講することが可能です。代表的なものだと、カクテルマイスターなど、今は通信でも様々な講座があります。
自宅受験だけで資格を取得できる講座もあるので、学生や別の仕事をしている社会人、主婦まで様々な人がバーテンダー講座を受講しているようです。
未経験ならアルバイトから始めよう
バーテンダーに必要なのは、膨大な知識と技術。それを毎日磨くことができるのは、アルバイトです。実際にバーなどでアルバイトをすることで必要なことを、先輩バーテンダーから学ぶことができます。また、給料も発生するので、そのお金でバーテンダーに必要な知識を学べる参考書などを購入することもできます。
しかし、覚えることがたくさんあるのでいきなりはハードルが高いという方は、通信講座や専門学校から初めてみても良いかもしれませんね。
女性でもバーテンダーになれるのか?
実際に、PBO主催の大会に出場し準優勝した女性バーテンダーもいるぐらい女性人口は増えてきています。日本の大会で上位成績をおさめた者は世界大会への切符を掴んだことになるので、今や女性バーテンダーでも世界へ羽ばたけるレベルになっているのです。
働き口も増えているので、今後ますます女性が増えて行くかもしれません。
独学でもバーテンダーになれる!?
専門学校や通信講座はそれなりに費用がかかります。できる限りコストをおさえてバーテンダーになりたい方もいるでしょう。
資格を取得するにしても、しないにしても独学でなることは可能です。しかし、何かと取得しておくとメリットが多い資格。独学で勉強して、資格を取得するために、おすすめの勉強本を紹介していきます。
バーテンダー資格試験におすすめの勉強本
資格試験に合格するためには、まず筆記試験対策をしなければなりません。通常は、出題元の本が紹介されているので、それで勉強した方が良いでしょう。
主催側によって、出題者の本は変わってきますので、主催者別のおすすめ勉強本をそれぞれ紹介していきます。
バーテンダー資格試験おすすめ勉強本①
NBA主催の資格試験に合格するためには、出題元であるオフィシャル・カクテルブックがおすすめ。会員でなくても受けられる、バーテンダー呼称技能認定試験は、年々レベルが上がっているそうです。
タイトル:「改定 NBA新オフィシャル・カクテルブック」
URL:https://www.amazon.co.jp/%E6%94%B9%E8%A8%82-NBA%E6%96%B0%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%AF%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E5%8D%94%E4%BC%9A/dp/4388062499/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%82%AF%E3%83%86%E3%83%AB&qid=1572094280&sr=8-1
概要:プロのバーテンダーにとって必要な技術と知識をまとめたNBAの教科書です。
バーテンダー資格試験おすすめ勉強本②
取り掛かりが難しいという方におすすめなのは、資格試験の勉強にもなる基本的なことが書かれているガイドブックでしょう。
タイトル:「バーテンダーパーフェクトガイド」
URL:https://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-%E6%B8%A1%E9%82%89-%E4%B8%80%E4%B9%9F/dp/4816348069
概要:アルコールの知識、身だしなみやファッション、ルールやマナーなどバーテンダーとして最低限おさえておきたい基本的なことが書かれています。
バーテンダー資格試験おすすめ勉強本③
PBOの筆記試験の出題元は、新バーテンダーズマニュアルです。
タイトル:「新バーテンダーズマニュアル」
URL:https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB-%E8%8A%B1%E5%B4%8E%E4%B8%80%E5%A4%AB/dp/4388061298/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB&qid=1572094828&s=books&sr=1-1
概要:まさにバーテンダーを志す方のテキスト。時代の変化にも対応できるよう、新しい情報が盛り込まれているのも特徴です。
資格以外にバーテンダーに必要なこととは?
資格以外にも、バーテンダーにとって必要なことはたくさんあります。その中でも重要視されるのは、マナーや察する能力。
難しく聞こえるかもしれませんが、バーテンダーはおもてなしのプロです。どうしても、他の職業以上の接客技術が求められます。
バーテンダーならではの観察力や判断力
一言で言うと、察する能力です。バーに訪れるのは、いつも元気で自分と同じ同年代の人とは限りません。お客様は、様々な年代でいろんな思いを抱えて来店します。
そんな感情を瞬時に察知し、一人ひとりのお客様にあったおもてなしができなければ立派なバーテンダーとは言えないのです。
一番早く、観察力や判断力を身につけたいのであれば、先輩バーテンダーに学ぶことです。ただし、ただ聞くだけでは成長は見込めません。先輩バーテンダーの普段の仕事振りを観察して、お客様にたいしてどのような対応、気遣いをしているのかよく観察しましょう。
バーテンダーとしてのふるまい、マナー
マナーは、どの仕事をする上でも大切なことですが、バーテンダーの場合はひときわ気を付けなければなりません。
高級ホテルや格式の高いバーに訪れるお客様は、それなりに教養があるマナーに詳しいお客様が多いので、知ったかぶりや非常識な行動はお店の質を下げることになりかねません。
初めの内はマナーは一つ一つ覚えていかなければなりませんが、どんな時でもゆったりと落ち着いて行動し、常に笑顔でお客様に接することだけは、最初から心がけていた方が良いでしょう。
バーテンダーになるには、様々な方法があることを説明してきました。資格は取得しなくてもなれますが、持っていた方がメリットが大きいです。
また、資格を取得したらそれで一人前というわけではありません。他の業種より、膨大な知識量と技術を身につけなければならないため、常に自ら学ぶ姿勢を怠らないようにするのが立派なバーテンダーとして成長するコツです。