飲食店での研修では、最初の教え方が大切です。教え方次第で新人の成長速度が変わります。戦力となる新人を育てたいのであれば、研修期間中に効率よく正しい指導を行いましょう。また、研修中に行うことや、研修を終えた後どうなるのかということについてもご紹介していきます。
飲食店の研修中は何をするのか?
まずは飲食店の研修中はなにをするのかということについてご紹介します。研修にくる新人は、なにをするのかを全くわかっていないため、ドキドキした状態です。なにをどうすればよいのかというビジョンを描くことができないため、なかなか研修が進まないこともあります。そのため、研修中はなにをするのかということを先に明確に伝えることで、スムーズな指導を行うことができます。
飲食店の業務内容を覚えてもらう
研修を行う際はまず、飲食店での業務内容を新人に覚えてもらうということから始まります。
大まかな業務内容としては、お客さんの誘導、注文を受ける、片付けをする、精算をする、掃除をするという流れとなります。この一連の流れを先に伝えておくことで、研修中の新人は次になにをすべきかということを把握することができるため、次の行動に移りやすくなります。
接客をする
ホールの研修の場合は、接客がメインとなります。お客さんが来店したら、まずは「いらっしゃいませ」など気持ちの良い挨拶を上手に言えるように指導します。その後に、人数や禁煙や喫煙、カウンターかテーブルかなど、席の注文を受けます。どの注文を受けたら、どの席に誘導するかということを教えておきましょう。
また、卓番で会話をしたり、誘導したりするため、席の卓番はしっかりと覚えてもらうように指導しておきましょう。
注文をうけるときの指導も大切です。注文は間違えないことが最重要ですが、注文を受けるときに使用する小型端末は最初は使い方になれるまで大変だったり、注文を聞くことに時間がかかってしまいます。そのため、はじめのうちはメモを持ち歩かせておくことをおすすめします。
料理を運ぶときは、無理せず的確にしっかりと安全に運ぶということを教えることが大切です。安定して持つことができる分だけを配膳し、お皿をひっくり返したりせずに安全に確実に運ぶように教えましょう。最初は焦らず確実にゆっくりでもよいから運ぶようにと伝えると新人は落ち着いて料理を運ぶことができます。
片付けはガチャガチャという音がならないように片付ける方法を教えます。こちらも落としたりせず、焦ることなく確実に行うことに重視して教えます。
精算では間違いがないようにします。クレジットカードなどの精算の仕方も教えますが、難しそうな場合は、間違えないようにその都度先輩のスタッフなどを呼ぶようにと伝えておくとよいです。
掃除の仕方も大切です。正しく綺麗に掃除を行う方法や、綺麗にできていない所を指摘しましょう。
接客は身だしなみが大切だということも伝えておくとよいです。
お客さんが気持ち良く来店することができるように、常日頃から身だしなみには気をつけるようにと伝え、しっかりと整った状態で仕事に入ってもらうようにしましょう。
お店のメニューの作り方を覚えてもらう
厨房での研修の場合は、お店のメニューの作り方を覚えてもらう必要があります。まずはメモをしてもらい、作り方の重要なポイントや注意点やコツをメモするようにと伝えましょう。また、作り方は実践あるのみです。見学や自分で学ぶ時間を作ることも大切ですが、実際に作りながら覚えていくのが一番効率よく覚えることができます。
仕事の意識レベルを上げる
仕事の意識レベルをあげてもらう事も大切です。研修中はこの仕事が自分に向いているか、この仕事で稼げるかという気持ちで受けている新人が多いものの、このお店ではこんなコンセプトでお料理を提供しているということや、こんな料理を出している、こんなこだわりがあるということを知ってもらい、一緒に提供していきたいと思ってもらうことが大切です。そうすることで、仕事に取り組む意識が高まり、即戦力になりたいという気持ちで研修に望んでくれるでしょう。
店舗によって異なる研修期間とは?
研修期間は店舗によって異なります。
研修期間の平均がある
研修期間の平均としては、1ヶ月から3ヶ月ほどとなります。
また、日数で期間が決まってるのではなく、最初の50時間は研修中となるなどと時間で決められているお店もあります。
研修を抜けられる条件を伝える
研修期間中は時給が少なかったり、シフトに入ることができる時間が制限されてしまったり、研修中に諦めて辞めてしまうとうことが少なくありません。
せっかく様々なことを教えたのにも関わらず、研修途中で辞められてしまっては困りますね。即戦力となるであろう研修中の人を逃さないためにも、研修を抜けられる条件を伝えるとよいです。すると条件を目標として頑張り続けてくれたり、条件を達成しようと一生懸命に取り組んでくれるため、教える側としても効率よくスムーズに進みます。たとえば、これができるようになったら次のステップに進むことができて、これくらいまでできるようになれば、研修終了となると細かい目標を立てていき、筋道を提示するとよいです。
飲食店の研修中のルールとは?
研修中にはいくつかのルールがあります。ルールがあるということ、ルールを守る意義を伝えるとよいです。
研修中の名札を付ける
研修中は名札を付けるというルールがあります。他の従業員がフォローするためにも必要な目印となりますし、お客さん側にも研修中であるということを伝える必要があります。慣れた従業員よりも、スピードが遅かったり、なにか間違えや粗相をしてしまうことがあります。そんなときに、お客さんに理解してもらうためにも、お店の看板を汚さないためにも、研修中であり未熟であるということを知らせるために名札を付ける必要があります。
研修中は基本的に給料が下がる
研修中は基本的に時給が下がります。見習い中ということであるため、店舗にもよりますが、約100円ほど引かれた額での給与となります。研修が終わればアップするということや、研修中であるため少なくなっているということを伝えておくことが大切ですね。
お店で決まったマニュアルで仕事覚える
飲食店のアルバイトでは、自分で考え自分で行動し、効率よく仕事をするということが大切です。そのため、自分流、自分なりのアレンジで効率よくスムーズに仕事をすることはとても大切です。しかし、それらのアレンジは基礎であるお店のマニュアルを守り、理解した上で行う必要があります。少し面倒で省いていたり、上手にできるテクニックなどがあったとしても、研修中はマニュアルを基準としてしっかりと教え、しっかりと基礎を身に着けてもらうことが大切です。
研修中はコミュニケーション大事?
研修中のコミュニケーションはとっても大切です。研修中にコミュニケーションがしっかりと取れていないと、お店の即戦力として成長することもなく、中には途中で辞めてしまうこともあります。コミュニケーションをしっかりととり、楽しく気持ち良くやりがいを感じながら仕事を覚えてもらう必要があります。
研修中の人を放置しない
研修中の人を放置しないようにしましょう。研修中でなにもわからない状態で放置されてしまうと、なにをしたらよいのかわからない、自分にはこの仕事が向いていないと感じ、辞めてしまう原因となります。また自分は居場所がない、なにも教えてくれずに放おっておかれて、いじめを受けたということで傷つく人もいます。
研修に入ってくる場合、高齢者ではないかぎり、ほとんどはゆとり教育を受けているマニュアル世代となります。自分からガツガツと吸収するのが苦手で、創意工夫をすることをとても苦手とします。しかし、一方でマニュアル通りに行うことはとても得意です。先輩がやっていることを見て覚えろという教え方だと、ゆとり世代やマニュアル世代の場合、学ぶことができず、スムーズにお店の仕事を習得することができません。
仕事をしっかり見てあげる
仕事をしているところをしっかりと見てあげる事も大切です。できたということを評価してもらうことで、人間は自信がつき、より頑張ろうと思うことができます。最初はできないことばかりで、自信がなくなってしまっているため、自分には向いていないのだと思ってしまいがちです。そこで、うまくできているとき、しっかりと習得できている姿を見つけ、褒めることも大切です。
一方で、できていると思ってしていることが、実は間違えているということもあります。早めに間違いに気づき、注意するためにも、よく観察しておくことは重要です。
飲食店の研修抜けた後の対応は?
飲食店の研修を受けたあとの対応はどうなるのでしょう。またどう変えるとよいのででしょう。
基本的に給料が上がることが多い
飲食店の研修後は、基本的に給料が上がることが多いです。そのため、研修の終わりがけや研修が辛いと感じているころに、研修が終わるとこのくらい時給がアップするということを教えてあげるとよいですね。
次のステップの仕事を覚えてもらう
研修が終了したら、次のステップの仕事を覚えてもらうとよいです。研修中はできなかったものの、覚えることで職場での即戦力となる仕事を覚えてもらうとよいです。この仕事ができるようになると、他の従業員のように力となり、みんなが助かる存在になることができると感じ、嬉しく感じることでしょう。
あまりにも責任重大な仕事や負担が大きいものを教えるのではなく、ちょっと責任が伴い、必要とされる人材となることができたのだという実感がもてるように、ステップアップした仕事を教えるとよいです。
研修中が自信がなかったり、自分にはできない仕事かもしれないと不安を抱いたりするため、研修中にやめてしまうとうケースが多くあります。しかし、お店の即戦力となってほしいと思っているときは、ちょっとした工夫で研修中の人のやる気を引き出し、仕事の習得スピードを高めることができます。上手に効率よく仕事を教え、お店の力となってもらいましょう!