しっとりと落ち着いた上流階級の社交の場のような優雅な雰囲気の店内で、高級なお酒をたしなむお客様。カウンターの中では慣れた手つきでシェイカーを振り、カクテルを作ってお客様に提供するバーテンダー。映画やテレビドラマでも出てきそうなシーンが毎日繰り広げられるバー。その魅力は何と言っても、同じ飲食業界の一般的なお店とは一線を画する、エレガントで上品な大人の世界が作り出されているということでしょう。そんな世界の中で正社員として働くということに、大きな魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。そこで今回はバーの正社員の仕事とはどんなものなのか、その仕事内容や身に付くスキルなどについてご紹介していきます。
バーの正社員の仕事内容とは?
バーの正社員は具体的にどのような仕事を担当することになるのでしょうか。
カクテル作り
まず、カクテルなどのお酒をお客様に提供する仕事があります。バーが舞台となった映画やテレビドラマのシーンに必ず登場するのが、カッコよくシェイカーを振ってカクテルを作るバーテンダーの姿です。現実の世界のバーでも、バーテンダーとしてシェイカーを振りカクテルを作るテクニックが求められます。ただし、熟練を要することですので、未経験者であればすぐにお客様に前で披露するのは無理があります。指導や研修を受けながら少しずつ上達していき、お客様の前で堂々と披露できる日を目指すことになります。
接客
バーテンダーとしてお酒を作るだけではなく、カウンターでお酒をゆっくりと味わっておられるお客様の、お話の相手をする事も大切な仕事です。バーテンダーと比べるとお客様の方が年齢が高い場合が多く、社会経験が豊富なお客様の話をバーテンダーが聞くという構図が基本になる場合が多いようです。その際、相槌や返事だけに終始するのではなく、自分の体験や気持ちを丁寧に表現するなど、会話としてうまく成立することに協力する技能が求められます。
新商品の開発
正社員として経験を積み、技術や知識を身に付けて来たら、新しいカクテルを考案するなど新商品の開発も行うことになります。また、お酒と共にお客様に提供する軽食やおつまみなども同じように研究・開発していきます。
経営スキル
ホールやキッチンに実際に入り込んで現場仕事もしながら、さらにすべてのスタッフの業務を管理・統括し、改善すべき点などがないか、お客様にご満足いただけているか目配り・気配りをしなければなりません。経営者としての手腕を身に付け、その役割を果たす必要があるのです。
原価管理
正社員としてお店を管理するための重要な仕事の一つに原価管理があります。お店の総売り上げの中で原材料費がどのくらいの金額を占め、どのくらいの割合になっているのかを確認し、理想的な数値に近づけるようにしなければなりません。もし、食材の廃棄などによって無駄が生じているようであれば、すぐに対策を取り改善する必要があります。逆に必要なものを仕入れずに原材料費を抑えてしまうと、お客様のご要望を満たせず、売り上げを下げてしまうことにつながります。その見極めをするのも社員の仕事です。
バーの正社員で身につくスキルとは?
では、バーで正社員として勤務する中でどのようなスキルを身に付けることが可能でしょうか。
上質なお客様との人脈
企業の経営者や管理職、あるいは芸能・芸術の世界で活躍する人たちなど、仕事や生活の面で社会的に上層部に入る限定的な人々が多く訪れるのがバーの大きな特色です。バーの正社員としてそのようなお客様と接し、会話をし、場合によっては心の触れ合いまでも生まれるという恵まれた環境の中で、普通の日常生活では決して作ることができない貴重な人脈が成立していくことも考えられます。
カクテルの知識
バーで働く正社員としてはカクテルに関する知識は絶対に必要なものですので、研修や熟練者による指導などでどんどん覚えていくことになります。お客様との会話の中で、カクテルについて詳しい説明をすることが必要になる場面が数多くあるでしょう。お客様の中にもカクテルについての知識が豊富な方もいますので、ハイレベルのカクテル話に花が咲くこともあります。いやがうえにもカクテルに関する知識が身に付いていく環境であると言えます。
経営者としての視点
現場でスタッフとして働くと同時に、チームの長としての人材の管理、食材やお酒など商品の仕入れや在庫管理、経営面での総合的な管理など、お店全体の管理・運営を任されることになります。そのおかげで一従業員としての業務内容を超えて、経営者としての視点やスキルが養成されることになります。このことは将来社内で昇格したり、自分で開業したりする際に大きな財産となることでしょう。
バーの正社員は、お酒に関するスキルだけでなく経営スキルも大きく身につく!
バーの正社員として働くということは、上品で優雅な空間で仕事ができる誇りだけではなく、ハイレベルな生活や文化を享受しているお客様との交流という貴重で希少な体験ができるということになります。さらに、ホールとキッチンの仕事に加えてお店を管理する任務も任されるということで経営者としての能力も養うことができます。いろいろな意味で将来に向けての大きな宝となることでしょう。ぜひチャレンジしてみてください。